四代目又右衛門の頭の中を書いたブログ

MATAEMON'S THINKING BLOG

今日は、コロナ禍の影響もあり、しばらく開催自粛を余儀なくされていた講演の機会を梶亀工務店 五代目出口代表のお声掛けと会場の提供により実現することができた。

今回お招きいただいたのは一般社団法人 大阪府建築士事務所協会 第五支部 wovemen+ の皆様である。
この場をお借りしてあらためて御礼申し上げたいと思います。また過分な評価のお言葉までいただき恐縮しています。是非今後も定例的に行っていければと思っておりますのでよろしくお願いします。

この協会メンバーの多くは建築に関わられている方々で、私たちの業界と遠くはないものの密接にコミットできているわけでないが、私たちの業界の発展に大きく影響を与えることは間違いない方々と言えると思う。

今回の講演は感染症対策もあり、リアルでの出席は人数制限し、リモート講演とあわせて行うものとなった。

持ち時間は約80分だったのだが、当日の朝までしっかり資料を用意したら、パワポのスライドで約230枚にもなってしまい、私のプロフィールより伝えたいことが多くあるので、色々削除して150枚ぐらいの資料で臨ませていただいた。

主な内容は・・・
■私たちの考えるデザインとして
●ローメンテナンスガーデンデザイン
●健康な植物のデザイン
●土や環境のデザイン
●見えないデザイン
●鳥や虫からの視点のデザイン
●園芸から農芸へ
●感性や創造力を育む植育ガーデンデザイン

■植物のもつ力

■みどりのサバイブプロジェクト

■セラミック栽培式野菜工場

■国境を越える交流事業

最後には私の想いとして、「人々は元来自然という植物に囲まれた中、住居を構えてきた。それがいつの間にか人が支配し、今では建物が建った後に少ない予算で植栽が行われているのが現状ではないだろうか?これからは植栽計画が立てられたあとに建物をつくって欲しいぐらいであり、今後は是非建築設計の初期段階から私たち園芸・造園のスペシャリストを交えて欲しい」ということを伝えさせていただいた。

私は、健康なみどりが溢れる空間をつくる重要なキーを握っているのが建築設計であり、それを達成することが私たちの役割であり使命である、と考える。そのためには色んなことに取り組んでいかなければならない。

今日も素敵な方々とのご縁をいただき、多くの学びを得ることができた。また一つ使命を遂げるために階段を一つ登ることができたと思う。本当に感謝である。これからも植物からのメッセージを伝え、そして多くを学んでいきたいと思っている。

私は決して講演はうまい人間ではなく、むしろその反対であり苦手である。
でもしかしだからと言ってその機会から逃げれば、現地の植物や現地の人びとが預けてくれたメッセージを伝えることができない。これからも頑張って続けていきたいと思うので、そのような機会があれば是非お声掛けいただければと思います。

さて次はどのような方々との縁ができるか楽しみである。まさに「乞う縁」である。

先週、今週と、関西で開催された展示会の視察に行ってきた。

先週の神戸国際会議場で行われた展示会は、花き業界とは少し離れてはいる内容ではあったが、出展方法などいくつか参考になるものがあった。

今週はインテックス大阪で開催されたライフスタイルや施設リノベーションの展示会に参加した。こちらではコロナ対応などの提案をしている企業が多くあったように思う。

新型コロナ対策は、実際に私たちも以前から提案し、資材やノウハウを保有しているので参考にできるところがあった。

またいくつかの興味深い取り組みをされている企業とも接点が持て、価値ある視察になったと言える。

 

今回、二つの展示会を視察した第一の目的は来場者の入り具合を実感したかったからである。

何故実感したかったというと私が顧問として関わっているJFMAが共催しており11月に開催される「フローラル・イノベーション2020」に出展することになったからである。

確かに新型コロナ禍において先の見通しがつきにくい中ではあるが、JFMAや多くの方々のお声掛けもいただき最終的に出展を決意した。

出展を決意したというと少し大げさな言い方では?と思われるかもしれないが、スタッフはじめ関係者が新型コロナによって様々な制約や削減を余儀なくされた中での出展であるので、私にとってはそれなりの決断と言えるのである。

ただ多くの人に勧められたからや良い条件での出展だから出展を決めたわけではない。もちろん企業として出展の価値ありと判断したのと、又右衛門として今まで世界を周り、大地や植物、人びとに触れることで預かったメッセージと、今まで培ってきたものを多くに人に発信するためである。

確かにこの時期の出展には大きなリスクがあるかもしれない。しかしその反面大きなチャンスであるとも言えるのではないだろうか。

 

私たちバラエングループは本年創業140周年を迎えた。そして10年後の150周年を見据えた社会との約束を果たすために出展したいと考えている。

さてどのような展示になるかは乞うご期待である。

 

▼「フローラルイノベーション2020」展示会概要は下記に…
https://jma-agro.com/fi_outline/

[開催概要]

会期:2020年11月11日(水)~13日(金)10:00~17:00

会場:東京ビッグサイト 青海展示棟

主催:一般社団法人日本能率協会

共催:一般社団法人日本フローラルマーケティング協会

入場料:無料(ただし、来場WEB事前登録証持参が必要)

8月からの新年度に入って早くも1か月。
お盆商戦や新しいプロジェクトなどバタバタしているうちにあっという間であった。

まずは神棚を祀り、夜明けと共に地元の氏神様である松尾神社を参拝し、元気に過ごせていることのお礼を伝えた。松尾神社は通学路の途中にあるため、小学校時代ほぼ毎日通っており、50年経った今でも、参拝するとその頃のことを思い出す。

そして大阪営業所に移動し、営業所の氏神様である春日神社を参拝し、社員の無事の御礼と祈願をした。
境内では業界の大先輩の姿を久しぶりに拝見した。
随分前に引退されていることもあり、私に気づいておられたかどうかは分からないが、一時代を創り上げた大先輩の姿を懐かしくも感じることになった。

そして2日遅れになってしまったがマリネックス本社の氏神様である華表神社にも参拝。

まるで業務より神様参りを優先しているかのようにも感じられるが、否定はできない。
何故ならば、私には特別な頭脳があるわけでもない。権力やお金があるわけでもない。
それにも関わらず素敵な人びととの縁を紡いでいただき、元気に活動できていることは、パートナー以外には、八百万の神々のおかげとしか思えないからである。

ここ華表神社には素敵な楠がそびえたっている。とても雄大な姿で。
そしていつものように感謝とお願いをしてきた。お願いの内容は◎△×■★・・・さすがに言えない。あまりにも大きく無茶なお願いなので。でも私は願い続けていきたい。それはその力を授けて欲しいというより、そのような力をつけることができる人になるための誓いのようなものであるから・・・

先週、お盆が明けて色々なことが動き始め、そのままの感じが続いている。
週初めの月曜日には新しくバラエングループに加わってくれたマリネックス社でのミーティング。

最近は、マリネックスの主成分でもあるフルボ酸を活用した有機栽培や健康食品、環境改善へのさらなる関心の高まりや、自給自足の必要性の高まりのためか、様々な業種の方々からの問い合わせが増えてきて、未来への可能性をとても感じられている。
ただマリネックスは、限りある原料をほぼ天然のエネルギーのみで製造しているため大量生産ができず、希少なため、大切に販売をしていかなければならない。

その分、一つひとつの製品に感謝し、想いと一緒に取引先やエンドユーザーに届けることができることが嬉しくも感じる。まだまだ未知なるポテンシャルに期待するとともに、様々な社会問題を解決してくれるのではと考えている。

また水曜日は、春に植栽したシンボリックな植物の定期点検のために都内へと向かった。

長い梅雨が終わってからの猛暑に心配していたが、植物の状態はすこぶる好調である。
私はヘルメットから汗がタラタラ落ち、熱中症にかかるのではと思うぐらいの暑さでへこたれそうであったが、むしろきつい日差しを大喜びするかの様に、堂々と大空に向かって立っていた。

ただ、まだ暑い夏が続きそうである。POT植えの植物は地温が上がりすぎると根の先端を傷めてしまうため、根を護り修復するためと、土の温度を少しでも下げるために、天然由来のオリジナル有機資材(MM土)を散布し、万全な対策をこうじてきた。

ヘルメットからの大量の汗を拭って、次の場所へ移動。そこでは新しいプロジェクトの打ち合わせというか、キックオフミーティングのようなものを行った。
パートナーは、以前の私の発言や目標、日々の活動をヒントに具体的なスキームを考えたそうで、素敵な提案をしていただけた。簡単に達成できるものではないかもしれないが、可能性があり夢が膨らむ。感謝である。
それもただ単なるビジネスではなく、以前から懸念していた花き業界や社会の課題を解決できるものになりえるため、何とか形にできればと思っている。

このような新しいプロジェクトや、マリネックスなど、収益よりも社会問題の解決策となりえるものに積極的に取り組んでいくことに力を入れていければと思う。
様々な出逢いから色んなものが日々産み出されていることに本当に感謝の気持ちでいっぱいであり、気温の上昇以上に、魂の温度が高くなっていくことを実感できている。
違った意味での熱中症にかかっているのかもしれない・・・・・。

生花販売に関わる事業者としては、年間を通じてお盆は一大イベントである。実際にお盆の結果が1年間の収益に大きく作用するぐらいである。

通常でもそのような重要な時期であるが、今年は新型コロナや猛暑による移動や外出自粛、生産の現場での長雨による生産不良などが重なり、果たして需要はあるのか?品質は保たれているのか?など様々なシナリオが描かれる中、それぞれの担当が工夫と目一杯の努力で、何とか結果を残してくれた。

もちろん事業をしているので数字としての結果は追求しなければならないのだが、何よりも嬉しかったのが部門の枠を越えて協力し合い、体力が落ちる環境の中、誰一人体調を大きく崩すことなく、何とか踏みとどまって走り抜けてくれたことである。今まで以上に良くやってくれたと思う。本当に感謝である。

そしてお盆明け早々には、今まで温めてきたいくつかのプロジェクトが動き始めた。
中には10年以上の時間がかかっているものもあり、国内だけではなく海外に向けてのプロジェクトや、同業、異業種とのコラボによるユニークな展開にとても胸が高鳴ってくる。

厳しい状況のため、色んな意味で控えめの活動を余儀なくされ、じっと耐えてきたが、そろそろ万全を期して動き始める時がきたように感じている。

具体的なプロジェクトについては順次報告をさせていただきたく思っているので楽しみにしておいてくださいね!

今日8月8日について、ネットで検索してみると様々な記念日であることが書かれている。

“葉っぱの日”や“パチンコの日”など語呂合わせのようなものから、見た目からの“ヒョウタンの日”、少しどうかなと思われる“デブの日”などが挙げられている。

私にとって「8」という数字は縁起も良く大切にしている数字であり、世間でも末広がりなど「8」という数は吉数とされているようである。

そのような「8」が二つ並ぶ日のため、何となくときめく日でもある。

そして、そのような日に長い間リニューアルできていなかった薔薇園植物場のHPをリニューアルオープンすることができた。

http://www.baraen-rosegarden.co.jp/

本年度は創業140周年を迎えたこともあり、コンテンツも少し追加変更を行っている。

私の「又右衛門ブログ」は凝りもせず書かせていただこうと思うので、引き続きお読みくだされば嬉しく思います。

HPも新しくなり、時代とともに進めていく手法や事業は常に変化させていますが、私たちの植物に対する想いは140年不変であり、これからも志を同じくする仲間と手を繋ぎ150年、200年継続していくことができる企業をめざしてまいります。

最後にHPにも記載している私の挨拶を転載いたします。

 

四代目 金岡又右衛門(金岡信康)

『素晴らしきパートナーと共に、しあわせを創り出すバラエングループをめざして。』

私たちバラエングループは 2020 年、創業140周年を迎えることができました。 そして、150年に向かうバラエングループの代表としての私の使命は、企業理念に基づき、「もっと愛され、もっと必要とされる企業づくり」を完遂することであると考えます。 私が入社した頃は、「もっと花を安く仕入れたい、数多く売りたい」を優先させ、「ライバルに負けたくない。もっと大きな会社にしたい。もっと権力のある会社にしたい。」と思っていましたし、業界の内外で活躍される人びとに認めてもらいたいという気持ちから「もっと見た目に優秀な会社にすべきだ!」という考えにとらわれていた時期もありました。しかし、私は世界中を自らの足で駆け巡り、多くの出逢い、再会を繰り返しながら、目的を共有し、共に歩んでいける素晴らしいパートナーと出会うことができました。

それこそが一番の宝物であると気がついた今、このバラエングループを、大きくはなくとも、地位や権力がなくとも、外観が華やかであるよりも、人からも植物からも「もっと愛され、もっと必要とされる 会社にしたい。」そう強く想っています。 ある人の一言が私の頭に残っています。 「人は植物が無ければ生きていけない。しかし植物は人がいなくても生きていける。」 花き園芸に従事する私たちは、他のどのような業種の企業よりも、植物と身近に接し、その恩恵を受けながら活動をしています。 であるならば、誰よりも、植物の持つ力を全身で感じとり、その力の可能性を疑うことなく、その力の素晴らしさをより多くの人に伝えていくことが私たち責務であるはずです。 私たちバラエングループは、花き園芸業界の一員として、植物からあずかったメッセージを伝え続けていくために、収益活動と社会活動の両輪をしっかり駆動させ、植物の力で「しあわせを創り出す」ことができる花き園芸総合企業をめざしていきたいと考えます。 私は、四代目金岡又右衛門として、先人の熱き想いと築き上げてきた全てを受け継ぎ、この厳しい時代を「乗り越える」のではなく、素晴らしいパートナーたちと共に「創りかえる」気持ちで邁進してまいります。 そして、「世界の感動を日本に。日本の感性を世界へ。」をモットーに、自然や大地への尊厳の念を持ち、植物の「生(いきる)」 にこだわりながら歩んでいきたいと想います。

今日は、食品衛生責任者養成講習を受けるために大阪市内の会場へ向かった。

10時からの講習ではあったが、満員電車を避けるため車で向かうことにした。ただ市内ということもあり、駐車場代も結構かかるので安い駐車場を確保するため早めに出発。6時30分に到着できた。

受付開始までの3時間、近くの空いているカフェでデスクワークを黙々と行い、時間となったので会場へと向かった。

受付開始時間早々に行ったが、すでに多くの方が来られており私で59番目。ちょうど参加者の半分ぐらいであった。

何故、花き業界なのに食品衛生責任者の講習を受けるの?と多くの方が思われるかもしれないが、バラエングループでは清涼飲料水の製造もおこなっているからである。それに加え、食品と同じとまではいかなくても、花きの安全性についても今後はこのような厳格な基準を頭において従事しなければならないのではないかと思い、まずは私が講習を受けたのである。

会場では全員マスク着用で密を避けるための距離感を保ちながら、講習がスケジュールに則り進められていった。

10時からの開始とともに、昼食・休憩をはさんで案内を含めると17時頃までの約7時間の講習で、「食品衛生責任者制度とは」「衛生法規」「食品衛生学」「公衆衛生学」について学ぶことができた。

内容は私が主軸を置く花き業界としてはすぐに必要でないかもしれないが、食中毒や残留農薬をはじめいくつかの項目で役に立つことがあった。

私自身、海外の厳しい環境に身を置いて活動をしてきたが、その中でも知らずにとても危険な場面に遭遇していたことや、実際には食中毒にかかってしまっていたことなども気づかされた。今後の活動で大いに役立てることであり、現地の人にもアドバイスができるのではと思う。
またバラエングループでは、野菜・果物の生産にも取り組んでおり、野菜工場やエディブルフラワーなど、まさに食するものと密接に関わっているため、大変勉強になった。

休憩中以外は座りっぱなしの7時間。学生時代の授業では当たり前であったかもしれないが、今になってのこの時間は結構体力を要することになった。しなしながら今回の受講で得ることができたものはその何倍も価値あるものであった。

今後は、ここで学んだことを実践し、花き園芸の安心安全な取り組みにもつなげていくことができればと思っています。

食品衛生責任者 又右衛門、頑張ります!

今日は、同時代ギャラリーで開催中の「足元の地球と遊ぶ展覧会」に参加のため、京都へと向かった。

久しぶりの阪急電車、京都線特急に乗車。
小さい頃、地元の宝塚線は窓を背にして座るロングシート席のため、京都線の進行方向に向かって座れる二人掛けの座席に憧れをもっていたことを思いだす。そしてまるで子どもの頃のように景色を楽しんでいるうちにあっという間に京都へと到着した。

烏丸で地下鉄に乗り換え、京都市役所前駅に到着。囃子が流れる商店街に風情を感じる。

到着した展示会開催場所の同時代ギャラリーは、大変趣のあるビルである。

12時のオープンに先駆けて到着し、弊社のデザイナー 矢野TEA氏と合流。
各作品の紹介と説明を受けた。矢野TEA氏はご存知の方も多いかと思うが、チェルシーフラワーショウ最上位であるショウガーデン部門にて受賞歴がある日本を代表するガーデンデザイナーである。

そして彼は別の顔を持つ。それは自然環境学習プログラマー。BBCのキャスターなどはガーデンデザイン以上にその才能を認めるほど。著書も多数ある。
https://www.teas.design/

そして今回の展示会は、そこに重きを置いた作品とワークショップの開催である。

石や道草を使ったプログラム。とてもユニークな作品がいっぱいである。ちなみに販売もしていて、その価格はグラム売り。この売り方もとてもユニークである。

壁掛けの作品もあり楽しませてくれる。

そしてワークショップも大変好評であった。今後はこのようなワークショップを各地で行っていければと思う。

訪問者はアーティストやデザイナー、行政や美術館関係者、教育従事者と多彩である。
世界であまりにも著名な画家のお弟子さんが来ていたとのことで、本当に驚きである。
また、中には著名なデザイナーや街づくりを行ってきた方もいて、私たちの活動に賛同いただけ、これから一緒に色んなプログラムを行っていこうと意気投合。
お互いの得意なところを融合させて、更に魅力的なものとして、国内にとどまらず海外に向けて、より広く発信、伝播していくこととなった。
まだまだやらなければならないことはいっぱいだが、同じ意識と温度感をもつパートナーが加わり、共に歩むことができることは何よりも幸せである。きっと又右衛門だけの活動では足らなかったことを大いに助けてくれると期待している。

チーム「with the world」世界に向けて頑張っていきます。

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【足元の地球と遊ぶ展覧会】
ガーデンデザイナー・矢野 茶による展覧会です。
会場:京都市 同時代ギャラリー
会期:2020年7月21日(火)〜7月26日(日)
時間:12:00〜19:00(最終日は17:00迄)

広島市植物公園を出て市内中心部へと向かい、「ひろしま はなのわ 2020(第37回全国都市緑化ひろしまフェア)」会場近くに車を停めて、ミーティングの前にランチをとった。

肉感たっぷりのハンバーガー。最近慌ただしくマクドナルドにお世話になることが多かったが、久しぶりの本格的なバーガーもとても美味しくいただけた。

そして地元の方の案内で新しくなった広島平和記念資料館を観覧した。
以前のままであっても新しくなっても、様々な資料からその時のことが伝わってくる。当時の人の何万分の一の苦しみや悲しみも味わっていないであろうが、それでも全身で感じることができる。
これ以上のことは私の表現では伝えられないため、是非ご自身で感じてもらえればと思う。

建築者の想いであるかどうかは分からないが、資料館の展示の終わりの通路を渡る時には、私には、暗い先に見える光にむけて市民が一生懸命歩み現在まで来ることができたという風に感じ取れた。

また案内していただいた青木さんが一枚の写真を紹介してくれた。この花はカンナである。

後にも紹介するが、被爆後に語られたものに、「この地には75年間は草木も生えない」と言われた広島で、カンナが芽生え、多くの人に生きる力を与えたとのことであった。本当に植物のもつ力は無限大であると感じた。

慰霊碑にご挨拶をすることができました。

その先にある原爆ドームをあらためて見つめた。

そして、第37回緑化ひろしまフェア ひろしま はなのわ 2020会場へと向かい、まずは事務局を訪問。主要な方々とご挨拶をし、今回の取り組みや、今後の方向性をお聞かせいただけた。

その後メイン会場周辺を囲む「はなのわ」から順番に丁寧にご案内いただいた。

ひろしま風景ゾーンには広島県にあるユネスコ世界遺産や無形文化遺産、日本遺産や国名勝など世界に知られる文化や風土が植物を用いて再現されていた。

やまの景として、山間部の風景を再現したものや

広島にゆかりのあるイザナミ神を多肉植物で再現した迫力満点で美しい作品。
ここでは古田さんが深く関わり作庭をされていたので、コロナによって中々来ることができなかったが、何とか一緒に見ることができてとても嬉しく思えた。

その後は原爆が投下されてからの75年の歴史がつづられた「未来に向けた思い出年表」と名付けられたコンコース。ここは慰霊碑から記念公園~原爆ドームの延長線上である。

その入口には先ほどのカンナのことが書かれたものがあった。この言葉には実際の被爆にあったわけでもない私でさえも大きく勇気づけられることになった。

その延長線上には目立たないが平和の鐘があった。この鐘は被爆後に復興を信じてくず鉄を一生懸命集めて、皆の手で作り上げたとのことであった。くず鉄のため鐘の音はあまりよくなかったということであるが、その響きは恐らく天から地の万物の心に響いたことであろう。

普通に訪れただけでは、見落としてしまうような物を地元の方々に丁寧に案内してもらえたため多くのことを気づかされ、そして多くを学ぶことができた。本当に感謝である。

色んな行政の取り組みを見る機会があるが、特にこの広島の取り組みは、ストーリー性がしっかりあり、伝えたいことなどが明確である。そして日本だけでなく世界におけるHIROSHIMAの役割が発信されており素晴らしいと感じた。

本年でこのイベントは終わりになるが、これからが始まりであるという力強い言葉を聞くことができ、微力ながらこの又右衛門も喜んで協力をさせていただくお約束をして会場を後にした。
そして1日大変お世話になった古田さん、青木さんとお別れをした。

帰りの道では、しっかりとした虹がかかり、まるで私たちを労いながら、希望へと導いてくれているような感じがした。

この2日間、出逢い・再会があり、とても意義深い両日となった。

最後の平和の鐘の音は実際には聞いてはいないが、明らかに私の心の中で響いている。
そしてこの慰霊碑にある言葉をあらためて自らの心に刻み込みこれからも歩んでいこうと思う。そのような心にしみる2日間であった。

朝からブッフェで120%燃料を補給してから待ち合わせ場所に向かった。
以前より親交が深いオリーブカーキ古田さんに乗せていただき、道中、設計などでご活躍の青木さんと合流し、一緒に広島市植物公園へ。

再会を喜び合いながら色んな話をしているうちに広島市植物公園に到着。まずは公園関係者の方にご挨拶し、3年前オーストラリアからここに来てくれたバオバブ「バオーン(バオバブの愛称)」に再会できた。

ここのバオバブは大規模な開発によって行き場を失ってしまうバオバブを地元のパートナー ジョーの協力を得て、11000km離れたこの地に移植することができたのである。

この写真に写っている植物園メンバーには、一緒に現地に入ってその状況をしっかり目に焼き付けてもらったこともあり、現在のバオバブの管理に大いに役立ててくれている。

今年は雨が多く日照時間が少なく、気温が低めであるのもあり、葉は茂ってこそいないが、しっかりと新葉を展開させてくれていた。

移植後は日本一のバオバブということでテレビや多くの報道から注目され、「バオーン」という愛称もつけてもらうなど地元の皆さんにもとても可愛がっていただけている。
先日、広島を訪れタクシーに乗った際には運転手さんから、「広島に来たなら日本一のバオバブが来てくれたから植物園に見に行った方がいいよ」とお声掛けいただいたこともあるぐらいである。
また、「生きている間に実際にバオバブの樹を見れると思ってなかった」と涙を浮かべて話すお年寄りの言葉を聞くと、この日本一のバオバブはその大きさというより、日本一愛してもらっているバオバブであると確信ができた。

この他にも大温室ではボトルツリー、グラスツリー、マクロザミアムーレイなど多くの植物たちが全て元気に暮らしていてくれていて再会できたことがとても嬉しかった。

その他にもフクシア(ホクシャ)が美しい。貴婦人の耳飾りと言われるだけのことがある。何とも魅力的な発色である。

ユニークな形、特性など見れば見るほど興味が湧いてきて、吸い込まれそうになる。

少し気を許すとこんなことにもなりかねないので要注意である。

他にもバラ園などもあり、限られた時間の中であったが、関係者の皆さんと以前を振り返りながら今後について話をすることができた。とても素敵な時間を過ごすことができ、再訪を約束して後ろ髪を引かれる思いでこの地を後にした。

少し長くなったので昼からのことは次回にて書かせていただきます。では今日はこの辺で。