四代目又右衛門の頭の中を書いたブログ
MATAEMON'S THINKING BLOG
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北海道2日目。ふつかめといっても一泊の予定のため最終日でもある。

ニュースでは札幌などは大雪とのことだが日高地方は小雪が舞い散る程度。ただ風がつよく体感はかなり寒かった。
ホテルで朝食をいただき、今回の北海道に訪れたもう一つの大きな目的でもある北海道静内農業高等学校へと向かった。

今回の訪問の目的は、学校の施設見学と、馬術部3年生部員の方々とのユニークなセッションを開催するので参加させていただいた。
ここ北海道静内農業高等学校は、一般的に農業分野と言える農産物の生産や花き園芸、畜産などを教えている。ただ他校と違うのは全国で唯一競走馬を生産しているとてもユニークで魅力的な高校である。そのようなこの学校でしかない取り組みがあるため、生徒は全国から集まっていて、多くが北海道以外からである。
そして今回はご縁をいただき、本校で生産され来年にデビュー予定の競走馬を命名するための検討会出席のために訪問させていただいた。

玄関では、担当の先生と生徒がとても丁寧に出迎えていただけ、馬術部3年生部員が待つ教室へと案内いただけた。

教室に入るとまずは起立・礼があり、その後担当の先生から、せっかく遠くから来ていただいたのでと私に挨拶の機会をいただけたので、このような素敵な企画に参加させていただけることへの感謝を込めて、挨拶をした後に、早速検討会が開催された。
馬名というのは、その名の通り、今後レースを走るためなど使用する名前で、世間でよく知られている「ディープインパクト」や「キタサンブラック」というのが馬名になる。この名前は国内や海外でも使われ、ほとんどの場合一生背負うことになるため、お馬さんにとっても関わった人にとっても、とても大切なものである。通常はその馬の馬主になられた方が命名をする場合が殆どである。

ただ今回は、実際に生産された高校生たちが命名するという特別な機会を生徒たちが得たため、公式の馬名命名ルールに則って一人ひとりが熟考し、それぞれが提案、そしてみんなで決めるというプロセスである。この公式ルールとは最近流行りのTVドラマ「ザ ロイヤルファミリー」を観られている方や、競馬に興味ある方ならご存知かと思うが、馬名登録にはまずカタカナで9文字以内、英文表記と命名の由来が必要である。当然すでに存在する名前は付けられない。その条件で熟考された候補を申請審査機関に第一から第三希望までの3案を提出し、審査基準をクリアしたものが登録となるのである。
上記を把握した上で、先生と生徒の代表によって進行が始まる。まずは参加者全員に、全ての生徒が考えた名前と由来が書かれた一覧が配布された。今回のルールは、その候補の中から投票をして6案を絞り込む。続いてその中から決選投票をして3案にしぼるということになる。
今回私にも候補の提案チャンスをいただけることであったが生徒の提案一覧に目を通してみると、どれもが本当に素晴らしい名前で、私がTVドラマの影響をモロに受け考えついた「カツキハアリマスカ」「シニモノグルイダ」などは恥ずかしくて出すこともできなかった(笑)

そして今回のルールにのっとり3案に絞られ、その提案をいただいた生徒3名とせっかくなので一緒に写真を撮らせていただいけた。ただこの3案以外にもとても心を揺さぶられるとても素敵な名前があり、投票にしなければ、私たちだけでは決めきれなかったと思う。本当に嬉しく思へ、この企画を提案させていただき、本当に良かったと心から思えた。

命名検討会を終え、後ろ髪をひかれる思いで教室をでて、他の施設をまわらせていただいた。まずは馬を前に、生産の難しさや考えかなどを教えていただけ、現場の大変さを垣間見ることができた。

続いて牛も拝見させていただいた。ちょうど今、「マリネックス 畜産用」の提案をはじめているので、今後に活かせる大きなヒントをいただけることになった。

花き園芸の授業もあるので生産の現場を見させていただいた。牛、馬と違って、私はここが本業のため他との比較はし易いが、大きな施設ではないが、良い施設なので、引き続き生徒に新しい技術を身に着けていただければ、頼もしい次世代の担い手ができるのではと感じ、必要とされるなら、私たちの経験や技術を何らかの形で伝えられればとも思った。

これで視察は終了。今回は数時間の滞在ではあったが、多くのことに触れれるとても内容の濃い貴重な時間となった。そしてお世話になった皆さんに挨拶をして、学校をでる時に、校庭にある素晴らしい言葉が刻まれた碑を目にした。「敬農愛樹」 何と素晴らしい言葉だと深く感じ入ったのとともに、自らの胸にあらためて刻むことになった。
今回の学校訪問はとても有意義なものであった。今回命名されたお馬のデビューは早ければ来年の夏であろう。どのような成長をとげ、どのような進路に進むかはまだわからない。全てが希望通りにいくような簡単なものではない。そして育ててくれて来た3年生も同じである。中にはジョッキーへの道に進む人もいればJRAへと向かう人もいる。就農する人や進学する人もいるかもしれない。さらに将来の夢は「ロイヤルファミリー」馬主になるという人もいるとのこと。どのような道であろうが皆さんは来年にデビューすることになるであろう。不安もいっぱいあるだろうがめげず、くしけず、あきらめずやり遂げて欲しいと思う。
今日の彼らの輝いた眼を見ていたら、未来は明るいと感じ、まだまだ日本の将来は明るく可能性に満ち溢れていると感じた。私はこの馬の成長とともに、彼らの成長も見届けていきたいと思う。また彼らに会えるのが楽しみである。

全ての予定を終えて空港をめざす。途中少し休憩しレンタカーを返却し、新千歳空港についたときは雪が舞っていた。いよいよ冬の到来。冷たい風が吹いている。しかし多くの人の温かい心や情熱を感じ、とても暖かい気持ちで一旦帰阪できる。さ~~これから出張が続く。体調管理をしっかりして気を引き締めて頑張ろう。