四代目又右衛門の頭の中を書いたブログ

MATAEMON'S THINKING BLOG

2022.03.26

又右衛門 千葉へ③ 又右衛門鉄道 ~終着駅のない各駅停車~

昨日、館山でのプロジェクトを終え、成田へと向かった。
そしてせっかく千葉まで来たのだから、年末に大変お世話になっている松、千両の生産地に向かうことにした。

レンタカーでひた走り、途中休憩をはさんで約5時間で到着。特にお世話になっている荒波農園さんを訪問することにした。
何の連絡もなしでの訪問なので、外出されているのは当然である。とりあえずご家族の方に御礼を含めたご挨拶をすることができた。

そして今回の千葉訪問の最終目的地である成田へと向かい、約1時間30分で到着。
ちょうど夕飯時であったので、食事をしようと駅に向かったが、なかなか一人では入りづらそうだったのでファーストフードで済ませて、ホテルにてデスクワークを行い、明日に向けて早めに休むことにした。

早朝目覚め、ホテルのお弁当をいただき、現地へと向かった。
今日は、パートナーであり、友人ともいえる大栄花園の高橋康弘氏をたずねた。

高橋さんは世界的に活躍される育種家で、シクラメンやアジサイなど多くの品種を産み出され、多数の受賞歴がある凄い方である。そして何度も一緒にプロジェクトを組ませていただいている。

到着後、まずアジサイの施設を見学させていただき、出荷を控えた「空海」という品種などを紹介してもらった。

中でも魅力的であったのが「キッチンアジサイ」という手のひらサイズのアジサイである。本当によくしまっており、花もしっかりついていて魅力的である。

興味があったので少し突っ込んで聞いてみると、普通サイズや大きなサイズを作るより、このようなサイズを作る方が手間や費用もかかるとのこと。しかし流通価格は大きなサイズより安価で、本来なら同じ価格で取引をしていただきたいとのこと。説明を受けると確かにと思う。

まるでスマホやパソコンなどと同じように、努力の結果、小型化に成功させているのだから、もう少し報われても良いのではと実際に感じた。利益だけを考えれば、普通サイズを作ったほうが良いところを、小型化にこだわり、この良さを解ってくれている人がいるから続けていきたいとのこと。さすが高橋さんと思えた。

他にも「スフレ」という斑入りのアジサイも作られており、花の日などの繁忙期に向かって、楽しみがいっぱいである。

またスパイラルのアガベや、観葉植物なども手掛け始めていて、今後に期待である。

圃場の見学の後、アンテナショップとして展開している「Breeds」を訪問した。ここは奥様が切り盛りされていてセンスの良さを感じる。奥様はとても魅力的な方で今回もいろいろとお話ができた。

お店には、自社生産の植物をはじめ、観葉植物などが素敵に並んでいる。

素敵な器などもラインナップされている。

屋外では又右衛門プランツのユッカ ロストラータ“ブルースワン”やオリーブ、ブラヘア アルマータ、グラスツリー グラウカなどが迎えてくれる。

店内で美味しいコーヒーをいただきながら、今後の取り組みについてお話をした。

2027年に開催予定の横浜園芸博覧会の話にもなり、何とか花き園芸業界あげて取り組み、盛り上げたいと共有でき、その年には世界が驚くような品種を産み出し、出展するとの力強い言葉も聞けた。本当に楽しみである。

そのような会話の中で、特に印象的だったのが、横浜などその目的のために「今、今日から始める」と言う言葉であった。近々とか明日からではなく「今日から・・・」という言葉であった。そしてそれを支える奥様が本当に素敵に感じた。

そうこうしている間にもお店には多くのお客様が来られ、長居しては営業妨害になるので、後ろ髪を引かれる思いで帰ることにした。

せっかくなので奥様と写真をとお誘いしたが、残念ながらNGであった。是非奥様を一目見たい方はお店へと足を運ばれてはと思う。

別れ際には、今後も引き続き輸入植物や輸出の取り組みについてもご協力いただけることを互いに約束することができ、気持ちよく送り出していただけた。

そして再びレンタカーに乗り込み、羽田空港経由で帰阪することができた。

井上社長や高橋さんなど、同じ業界にいながら、取引きだけの話でなく、植物に限らずいろんなことを本音で話し合えるパートナーがいてくれることは本当にしあわせに思う。今回も、そのような素敵な思いを再認識できた出張となった。

さ~~これで千葉編は終わるが、赤信号のない又右衛門鉄道。終着駅のない各駅停車の旅をこれからも楽しみにしていてくださいね。